シリコンとシリコーン
市販のシャンプーのCMで最近よく耳にするシリコーンという言葉、皆さんはご存知ですか?
いやいや、シリコンでしょ。
そう思った方、するどいですね!
実はシリコンもシリコーンもどちらも存在する物質です。
ただ、シャンプーに入っている・入っていないと言われているのはシリコーンです。
ちょっと理科の時間のお話になってしまいますが、しばしお付き合いくださいませ。
さて、シリコンとシリコーンの違いとは何なのでしょうか?
シリコン(silicon)とはICチップの元となる金属ケイ素のことです。
本来はシリコン樹脂と呼ばれるのですが、樹脂を省略してシリコンと呼ばれることもあるので、これがまぎらわしくなっているのですね。
一方、シリコーン(silicone)←<英語のスペルも違うでしょ♪>は酸素とケイ素からできているケイ石を元にして作られた人工化合物です。
誤解を恐れずにざっくり言うと、シリコンは金属の一種でシリコーンは化学物質なのです。
最近は、ノンシリコーンシャンプーという言葉だけがピックアップされて、シリコーンは何だか嫌われ者になっています。
実はシリコーンが使われているのはシャンプーやトリートメントだけではないんですよ。
ヘアケア製品だとオイルとかスプレーとかにも使われています。
他にも秋口から冬にかけてとってもお世話になるハンドクリーム、スキンクリーム、ローションなどにも配合されています。
化粧品だと、口紅やアイシャドウ、崩れにくいファンデーションとか、それはそれは私たちの身の回りにシリコーンは溢れているのです。
シリコーンの特徴として挙げられるのが、表面保護、撥水性、潤滑性、無味無臭、それから電気を通しにくく熱に強いので熱から守る成分としても大活躍しています。
安全性も高いため、私を含めアラフォー以上の世代には使いようによっては優れものなわけです。
しかし、シャンプーやトリートメントに配合されていると少々やっかいなやつなのです。
シリコーンはいわゆるニスやワックスのような役目を果たします。
表面をとにかくピカピカ、つやつやにするという優れものなのですが、同時にコーティング力が強くて毛穴をふさいでしまうこともあります。
そのため、頭皮環境が悪化して、ベタつきや抜け毛、薄毛の原因として悪者扱いされているのです。
だからといって何が何でもノンシリコーンということだと、コーティングされていない髪が紫外線や乾燥した空気にさらされて、髪質が悪化してしまいます。
では、どうすれば良いの?ということなのですが…。
今はシリコーンが行うコーティングを、ジメチコンなどの胃薬にも使用されているような成分で補うシャンプーやトリートメントが主流になっています。。
テレビのCMを鵜呑みにして、何が何でもノンシリコーンということではなく、コーティング成分を持ったヘアケア製品を上手に使っていきたいですね。